build.xml

Antではbuild.xmlというXMLファイルを使って、antの動作を制御します。ここではbuild.xmlファイルの基本的な使い方と実行方法について確認していきます。

ビルドファイルの構成

project要素

projectはビルドファイルのルート要素でビルドに関する情報を記述します。projectには次の3つの属性があります。

属性 説明 必須
name projectの名前
default ターゲットが指定されない時に使用するデフォルトターゲット
basedir パスの計算を行う場合に用いるベースディレクト
target要素

projectには一つ以上のターゲットを定義します。一つのtargetは実行したいtaskの集合です。

属性 説明 必須
name ターゲットの名前
depends このターゲットが依存するターゲット名のリスト(カンマ区切り)
if このターゲットを実行するために設定されていなければならないプロパティ名
unless このターゲットを実行するために設定されていてはならないプロパティ名
description このターゲットの機能の簡単な説明
task要素

taskとは実行可能なコードのひとまとまりです。
taskは、次のような共通の構造になっています

    <名前 属性1="値1" 属性2="値2" ... />

Antで用意されているTaskはユーザマニュアルに記載されており、何かの処理を行い時は以下よりタスクを探すこととなります。

property要素

プロジェクトには、複数のプロパティを設定することができます。プロパティは名前と値からなり、タスクの中において、属性の値を設定する場所に "${" と "}" で挟んでプロパティ名を書くことにより、属性の値として使用することができます。

Antの実行について

Antを実行するには単にantと入力するだけです。引数が指定されなかった場合はカレントディレクトリの build.xmlファイルを探しprojectタグのdefault 属性で指定されたターゲットを実行します。

ant

build.xmlでないビルドファイルを使うには以下のようにビルドファイルを指定します。

ant -buildfile file

find [file]オプションを使った場合、カレントディレクトリでビルドファイルを探し次に親ディレクトリで探し、順次その上をビルドファイルが見つかるかファイルシステムのルートに到達するまで探します。デフォルトではbuild.xmlという名前のビルドファイルが検索されます。build.xml以外のビルドファイルを探させる場合にはファイル引数を指定します。

ant -find [file]

Dproperty=valueオプションを使用することでプロパティを設定することができます。プロパティはビルドファイルから${property}としてアクセスできます。

ant -Dproperty=value

例)AntでHelloWorld

簡単なAntのビルドファイルを書いて、実行してみましょう。ここではHelloWorldと出力するだけのビルドファイルを作成します。次のコードをテキストエディタで記述し、"build.xml"という名前で保存してください。



    
		        
    

DOSプロンプトを開きファイルを作成したディレクトリに移動し、次のコマンドを入力して下さい。成功すると以下のようなメッセージが出力されます。

ant

Buildfile: build.xml
helloWorld:
     [echo] HelloWorld
BUILD SUCCESSFUL
Total time: 297 milliseconds